『楽翁公遺書』3巻揃　松平定信著作集　寛政改革　白河藩　物価論　べらぼう　稀覯本

『楽翁公遺書』上中下巻揃　著者:松平定信　編者:江間政発　発行:八尾書店　明治26年　和装本

旧桑名藩士の漢学者で徳川慶喜の伝記編修事業にも加わった江間政発が蒐集した松平定信(楽翁公) の著書を編纂した本です。稀覯本です。(写真20)
当時すでに刊行されていた「三草集」「花月日記」「退閑雑記」や定信公の著作と判断できなかった「資治清要」「白川夜話」などは収録せず、上巻に18、中巻に12、下巻に10、計40作品が収録されています。
上巻は定信13歳から36歳で幕府執政辞職時まで24年間、中・下巻は辞職後、72歳逝去までの37年間の著作です。

寛政の改革を主導した松平定信の政治論や海防論などに加え、物価論では享保改革時に提出された山下幸内の「物価論」が収録されています。これを基に三河吉田藩の松平伊豆守信明など他の老中と経済政策について協議する様子が記録されており貴重な資料となっています。
また、集古十集に象徴される文化人としての定信像が、収録された「読書功課論」に記載された読書量の多さや、和歌、「老の波」の茶道、自画像などからも窺える作品集となっています。
NHK大河ドラマ「べらぼう」とは違った定信像が浮かび上がります。

【上巻 】自教鑑 /禿筆余興/霞の友/難波江/漢書論説/読書功課録/国本論/国本論附録/ 砌の柳/正名考/言志集/修身録/関の秋風/政語/灯前漫筆/庶有編/物価論/諫鼓鳥
【中巻】責善集/狗日記/老の波/花橘録/楽亭筆記/楽亭かんな筆記/俗楽問答/住よし百首/夜鶴筆叢/雪月花自歌合/立教館令条/立教館童蒙訓
【下巻】浴恩園仮名の記/陶化之記/花月亭筆記/莵裘小録/旅の落葉/婆心録(付海岸御備大意初巻)/老のをしへ/風月集/大学経文講義/附録 求言録

■状態■
綴紐に解れ、表紙角剥がれ、虫食い跡小などあります。
中巻「老の波」に赤鉛筆線、下巻に福耳あります。
135年前の本ですが、全体として綺麗な本です。(写真を参照願います)
古本です。ご理解の上ご検討願います。

■サイズ■
縦22×横15×厚9cm(46) 1752g
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