朝起きて学校に行き、国語・算数・理科・社会…
みんなと同じように授業を受けている。
なのになぜテストでいい点数をとることができる子と、そうでない子に分かれてしまうのでしょうか?
これって誰しも一度は考えたことありませんか?
でも、そこで出てくる答えって、「結局A君は才能があるから」とか「親も頭が良かったみたいだし遺伝だね」とかですよね。
僕も思ったことがあります。
なんで友達のB君はどんな教科でもあんなにいい点数を取ることができるんだ…って。
今日は、ふと目に止まった石田勝紀さん著『同じ勉強をしていてなぜ差がつくのか』といった本の感想をお伝えします。
同じ勉強をしているのに差がつくのはなぜ?
まず、結論からお伝えしますね。
差がつく理由、それは「できる子は勉強時間以外の時間も学んでいるから」です。
ん?どういうこと?って感じでしょうか。
この本では、学びを3つのタイプに分けています。
①授業を受けていても学んでいない人
②授業中だけが学びの人
③寝ている時以外日常全てが学びの人
①って簡単に想像できますよね。
授業中、自分の席に座り、静かにして入るものの頭は働いておらず、先生や友達の話も耳に入っては抜けている状態。
確かに黒板に書かれたことをノートに写すという作業はしていても、肝心の頭が働いていませんから、なかなか勉強ができるようにはなりません。
②は普通のような感じがしますよね。
授業中は一生懸命考えますし、発表もします。
こう言った子はある程度勉強ができます。テストでもコンスタントに80点以上は取れるのではないでしょうか。
でも、どうしても100点に届かない…。また、応用問題等が出てきてしまっては太刀打ちできない…
そんな状態にもなってしまいます。
本当に高いレベルで勉強ができるとされている子は③の領域にいる子です。
寝ている時以外日常全てが学び?なんだか意味がわからないですね。
学校に行く時も、休み時間に友達とおしゃべりしている時も、給食を食べている時も、トイレにいる時も…全ての時間、勉強のことを考えているということ??
そう思われた方もいたかもしれませんが、そういうわけではありません。
こういう子達が考えていることは、直接的に国語や算数の内容ではなく、日常生活のあらゆる場面で
・え?これってなんでだろう?
・どうしたら○○できるようになるのかな?
・いつから始まったのかな?
といったことなんです。
日常生活おあらゆる場面で頭が働いている状態の子は頭が良い傾向があるってことですね。
逆を言えば、日常生活の中でも、特に何も考えることなく、ぼーっとしてしまっている子は差がつけられてしまうということでしょうか。
まさに「チコちゃんに叱られる」って感じですね。
どうしたらなれるの?
できる子となかなかできるようにならない子の違いは、日常生活のあらゆる場面で頭を働かせているかどうかということはわかりましたが、どうしたらあらゆる場面で頭を働かせることができるようになるのでしょうか。
それは、気づく楽しさ、知る楽しさ、考える楽しさを知る必要があります。
ここからは私のおすすめなのですが、スーパーマーケットってすごく勉強するのに向いている場所ではないかと思います。
スーパーにはさまざまな商品が並んでいますが、その産地って日本だけにとどまらず、世界各国に渡りますよね。
・果物売り場のバナナを見て「フィリピンってどこなんだろうね?」
・野菜売り場で「今の時期は何の野菜がいっぱい取れるのかな?」
・お肉売り場で「何で外国産のお肉はこんなに安いのかな?」
スーパーには、子供といっぱいお話しできるネタがあります。
その話の中で子供は世界の国々に興味をもつかもしれませんし、旬の野菜や果物に興味をもつかもしれません。
何かに興味をもつと、そこから派生して色々なことを考えるようになっていくでしょう。
あえて、勉強させないと!なんて固く考えるのではなく、まずはお父さん・お母さんが日常の何気ない話を子供に振ってあげると良いのではないでしょうか。
人と違う見方をするのも効果的
この本では、人と違う意見を発言させるのも効果的であると書かれています。
日本人はどうしても人と同じ考えであることに安心感を抱きます。
それが完全に悪いこととは思いませんが、時には、人と違う見方をすることも大切でしょう。
「別の見方ない?」
「別の意見はない?」
と子供に対して聞いてあげるのがおすすめのようです。
そう聞かれた子供は、今まで見なかった視点から物事を見始めるでしょう。
子供ってよく、「○○君に叩かれた。僕は何もしてない。○○君は意地悪だ」と伝えてきます。
完全に自分の視点からしか物事を見ることができていません。
実は、叩かれた原因は、先に自分がちょっかいを出していたのにということも少なくありません。
さまざまな視点から物事を捉えるのは子供の成長にとって非常に大切なことですね。
注意点
別の視点で聞く際に、ひとつ大きな注意点があります。
それは、否定しないことです。
親に言われ、子供は必死に違う側面から物事を見ようと努力します。
それでも完全な回答はなかなかできないでしょう。
まだまだ発達途中の子供ですから当たり前です。
大人が聞くと見当違いと感じることもあるかもしれませんが、決して否定はしてはいけません。
親に言われ、何とか別の意見を考えたにも関わらず、それを否定されてしまっては、子供からしたら「もう何も言わないようにしよう」ってなりますよね。
注意しましょう!
子供の脳を働かせるマジックワード
最後にこの本で紹介されている、子供の脳を働かせるマジックワードを10個紹介します。
もっと深ぼって知りたい言葉がありましたら、ぜひ本書を手にとってみることをおすすめします。
①自己分析力を作る「なぜだろう」
②自己表現力を作る「どう思う?」
③問題解決力を作る「どうしたらよい?」
④抽象化思考力を作る「要するに?」
⑤具体化思考力を作る「例えば?どういうこと?」
⑥積極的思考力を作る「楽しむためにはどうすればよい?」
⑦目的意識力を作る「何のため?」
⑧原点回帰力を作る「そもそも、どういうこと?」
⑨仮説構築力を作る「もし〜だったらどうする?」
⑩問題意識力を作る「本当だろうか?」
難しい言葉はいりません。シンプルかつ端的に聞いてあげましょう!
子供は一生懸命考えるようになるでしょう。
まとめ
今回は、『同じ勉強をしていてなぜ差がつくのか』という本について簡単に解説してきました。
差がつく要因は、日常生活から頭が働いているかどうか。
ぼーっと生きていてチコちゃんに叱られないようにしなくては行けません。
そのためには、親や周りの大人が、子供の脳が働き出すような声かけを行なっていく必要があります。
もちろん、その言葉を使えばすぐに子供の脳が活発に働き出すなんてことはありませんが、そういった環境下で育った子供は少しずつ成長していくことでしょう。
それが勉強ができるようになるための一歩かもしれません。
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